社会人で相手より有利に商談を勧めるポイントとして重要な要素は「情報量」です。
例えば、情報を多く持っている専門は「先生」と呼ばれます。
弁護士、税理士、公認会計士、医師など各部門の専門家にはその情報を売り物にしている状態。いわばすでにこちらは情報の買い手となっているのです。
これを商談に当てはめると、得意先の方が情報が多い場合はこう言われます。
「おたく、何も分かってないね」
「あまり提案として刺さらないなぁ」
と言われることもあります。
これも言われず、ご提案頂き有難うございます。いくら待てども、制約に結び付かないケースは往々にしてあります。
この情報戦の中で戦うとき、私は「心理学」を使った法則をおススメしています。
なぜならすでに専門家が分析して検証された理論なので、説得性が増すからです。
法則を使用することで、知らない方が見ると心理学的に証明されているということで信憑性がぐっと高まります。
マーケティングの理論としても有名な法則なので、営業の方やマーケティング担当の方はぜひともこの機会に覚えて頂いて損はありません。
- ザイオンス効果(ザイアンス効果、ザイオンスの法則、ザイアンスの法則)
- ウィンザー効果
- 松竹梅の法則
それぞれについて説明いたします。
ザイオンス効果(ザイアンス効果)
「ある対象の認知度が上がれば、その対象の好感度は上がる」といった効果のこと。
アメリカの心理学者によって発表された『単純な接触についての態度の効果』という論文から、この論文の発表者がロバート・ザイオンス氏であったため、この効果は後にザイオンス効果と呼ばれるようになりました。
そこから「単純接触効果」とも呼ばれています。
みなさんもかなりの頻度で経験されていると思います。TVCMや電車の広告など知らぬ間に見かけているものは親しみやすくなっていくというものです。
人間関係でも、ビジネスでの商品のマーケティングにも応用されている法則です。
ビジネスでの活用事例
- SNS広告を出すこと
- メルマガを送ること
- リターゲティング広告を出すこと
このようなことはマーケティングでも必須で行われている施策ですね。
これをもとにセブンヒッツ理論が生まれています。
一般的に、人は情報に3回接する事によって、その対象を認知し、7回接する事によって、商品を手に取り、購買に結び付くといわれています。
マーケティングにおいて重要なのはまず認知させること。1か所の多額のプロモーション費用より、色々な場所での少額プロモーションの方が現代においては向いていることが、このことから言えるでしょう。
過去ではCMに大量のGRPで流しておけば、誰かが見るということがありましたが、今はテレビCMもあまり見る人がおらず、広告費用はWEBやABEMAやTVerなどのインターネットTVへ移行しつつあります。
またコロナ禍により、オフライン(店頭)からの流入よりもSNSマーケテイングを使用したオンラインでの流入が注目をあびており、いかに消費者との接点を持たせるかが商売のカギとなっています。
つまり商品・サービスを打ち出す施策がマーケティング内に複数あることが重要なのは、このザイオンス効果から証明されているといえますね。
人間関係での活用事例
- 足しげく通う
- 何度も接触の機会を作る
「よく足を使って営業する」とか「ローラーをかける」など顧客のもとへ行き、なんども接触を図るうち仲良くなったり、信頼されるようになるということも、同効果から立証されています。
親身に聞いてくれる人や困ったときにそばにいる人というのはプライベートでもビジネスでも重宝されます。
売上拡大には地味な戦略ですが、オンライン戦略が多い現代においても、かなり実績が見込める手法です。
コロナ期となり、売上を伸ばしていった企業もWEB会議ばかりになってしまったところを、足しげく通った企業が受注を貰うというケースをよく耳にします。
但し、このザイオンス効果には気を付けなければならない点があります。
10回以上は効果が出にくい
これはあくまでケースバイケースではありますが、10回以上行うことは効果が得にくいという研究結果が出ております。
営業も広告も時々煩わしく感じられるケースはありますね。
10回以上というとかなりの条件下でない限り、起こりえませんが回数が多ければ多いほど良いということではないという点は注意しましょう。
ウィンザー効果
ウィンザー効果とは、ある事柄について当事者が自ら発信するより情報よりも、他者を介して発信された情報の方が、信頼性を獲得しやすいとする心理効果です。
これは実体験でも感じられている方が多いかと思います。
本人から言われたわけではないものが、噂話になり、あちこちで現実味を帯びて、実話のように聞こえるケースは多いですね。
この法則が活用され、実際に色々なビジネスシーンで「口コミ」「アンケート」「インタビュー」が用いられております。
SNSマーケテイングが進んでいる現代では、「インフルエンサーマーケティング」も各企業が取り入れ始めています。
最後の購買の一押しになるのが、このウィンザー効果によるものだということはデータからも明白になっております。
ただし、こう言った行為はあまりにも効果が出るため、ステルスマーケティングとして厳重注意を受けるケースも見られてきました。
きちんとPR(広告)を表記をしないと一般消費者に誤認させる行為、誇大広告として「景品表示法」違反となるケースもあります。
ステルスマーケティング自体は企業の信頼を落としかねない行為として、注目を浴びていますね。
代理店をつけて営業をする手順も似たような現象が起きます。第3者から勧められる商品ほど信憑性が増しますね。
松竹梅の法則
松竹梅の法則とは、3つの選択肢から一つを選び取る時、無意識で中間のものを選ぶという心理のことです。
商品を売りたい場合には、それ単体ではなく3つの選択肢を用意することで、中間にあたる商品を選んでもらえる可能性が高まります。
これを心理学では「ゴルディロックス効果」とも呼ばれています。
食事の例や製品例、サービスにまで現代は使われており、心理学から来るものですからすでにあなたも無意識に真ん中を選ぶ習性がついているかもしれません。
例えば、製品をもっと売りたい!という要望があった場合には、単体より別の付加価値をつけたものを作れば良いわけです。
- ご飯の定食…単品・セット・ドリンクバー付きセット
- ギフトボックス…通常、豪華、プレミアムのようなものも見かけます。
- NETFILIXのサービス…ベーシック・スタンダード・プレミアム
- コーヒーのサイズ…S、M、L
挙げだしたりするとキリがないほど、世の中にはこの松竹梅の法則を有効活用した販売ケースが見られます。
またこういった商品を作ることでロイヤルカスタマーやライトユーザーがどれだけいるかも分かりやすいですね。
まとめ
3つほどお伝えしましたが、どれも有名な法則です。
商談の際のプレゼンテーション内で、商談時の提案のスパイスとして、またプロダクト時の提案の材料としてご活用いただければと思います。
また社会人になる際に知っておくと、ライバルと差が付くだけでなく、評価・評判にも繋がると思います。
覚えるだけだと実はダメなんですけど、、そちらはまた次回に!